甲斐信枝

(かいのぶえ)
童画家・絵本作家。

広島県に生まれ、広島県立高等女学校(現在の広島県立広島皆実高等学校)に在学中から、洋画家・童画家である清水良雄に師事。その後、昭和の童画家で、絵本の挿絵などを手掛けていた鈴木寿雄に師事し、童画家・絵本作家となる。

1970年、デビュー作となる紙芝居「もんしろちょうとからすあげは」を出版。以後、草花や昆虫を始め、小さな生き物と同じ目線になって会話をしながら、丁寧な観察をベースとした自然がテーマの科学絵本を数多く生み出した。自らも小動物を飼育し、その生態を丹念に観察しながら絵本に仕立て上げたこともある(1982年の作品「こがねぐも」など)。

その活動歴は70年近くに及び、代表作である「雑草のくらし – あき地の五年間 -」(1985年)は、出版から30年以上に渡って多数の版を重ねるロングセラーとなった。

その他の作品に、「わたしのあげは」「もんしろちょう」「きゃべつばたけのいちにち」「すじぐろルルのぼうけん」「みのむし:ちゃみのがのくらし」「たんぽぽ」「ひがんばな」「こがねぐも」「たねがとぶ」「大きなクスノキ」「のえんどうと100にんのこどもたち」「ふきのとう」「ちょうちょはやくこないかな」「のげしとおひさま」「ちいさなかえるくん」「稲と日本人」「きゃべつばたけのぴょこり」「足元の小宇宙」「90歳の絵本作家、大切なことは草や虫たちが教えてくれた」など、多数。

主な受賞歴に、絵本・挿絵・写真といった分野の実績を称えて贈られる講談社主催の賞である「講談社出版文化賞」や、社団法人全国学校図書館協議会が主催の上、絵本の振興や発展に寄与した作品に贈られる「絵本にっぽん賞」などがある。

京都府京都市にある病院にて死去。死因は、老衰であった。93歳。

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